「君になりたい」 小さく呟いて
なんでもないよと 笑って誤魔化した
何気ない会話の中で僕は
いつのまにか本当の自分を見つけた

何度も読み返した小説 ボロボロの栞
最後の数行が頭をよぎる
明日になったら消えてしまうかもしれない
分かってる事だけど

君の作る料理はどれも美味しいってこと
君との一泊二日が楽しかったこと
君の笑った顔が大好きだってこと
伝えられずまた夜を越える

もう夜が明ける

君になりたい そんな言葉を
丁寧に畳んで ポケットにしまった
下らないような事なら言えるのに
素直な気持ちは言えないまま

君に渡した本の感想まだ　聞けていないし
あの日の質問の答えもまだ
明日になったら話してくれるのかな
夜が通り過ぎていく

私が作った料理を残さず食べてくれたこと
君と居ると時間はあっという間だってこと
君の笑った顔が大好きだってこと
伝えられずまた朝を迎える

もう朝日が昇る

もう戻れない今日がまた終わっていく
一分一秒一日 止まらない時計の針
何年経っても笑っていられるかな
君と

君の作る料理はどれも美味しいってこと
君との一泊二日が楽しかったこと
君の笑った顔が大好きだってこと
伝えられずまた夜を越える

もう夜が明ける

また朝日が昇る